News
株式会社リバネス(代表取締役社長:髙橋修一郎)は、岐阜大発ベンチャーFiberCraze株式会社の東南アジア進出支援を行っています。その成果として、この度、FiberCraze株式会社が、マレーシアトップの国立大学マラヤ大学に属する感染症研究センター、Tropical Infectious Diseases Research & Education Centre (TIDREC)(本部:マレーシア クアラルンプール / PROF. DR. SAZALY BIN ABU BAKAR)との間で、感染症対策技術に関する共同研究の実施を目的としたMemorandum of Agreement(MoA)契約を締結しました。
リバネスは、『科学技術の発展と地球貢献を実現する』をビジョンに、2010年から東南アジアに進出し、東南アジアの社会課題を日本の技術との融合で解決する取り組みを行って参りました。日本において、ディープテックベンチャーとの協業による課題解決を目指す『TECH PLANTER』を立ち上げ、日本全国の地域から、世界の課題を解決し得るチームを2000チーム以上集め、支援してきました。
TECH PLANTERの取り組みはこちら:https://techplanter.com/
また、東南アジアのマレーシアにおいては、2013年に現地子会社を設立し、現地のトップ大学や政府機関、民間企業とのコネクションを形成してきました。2023年には、マレーシアの経済特区Cyberjayaにインキュベーション施設Center of Garage Malaysiaを開設し、既に10社を越える日本ベンチャーがこの施設に拠点を作り、東南アジアへの進出を図っています。
Center of Garage Malaysia開設のリリースはこちら:https://my.co-g.work/2024/01/18/grand-opening-of-center-of-garage-malaysia-cogmy-ignites-a-new-era-for-malaysia-japan-monodzukuri-deep-tech-ecosystem/
FiberCraze株式会社(代表:長曽我部竣也 / 以下、FiberCraze)は、2021年に創業した岐阜大学発ベンチャーです。『ミクロな技術で、人類と地球のミライを織りなす』をビジョンに、世界初の繊維・フィルム素材への多孔化技術を利用した先端繊維素材「Craze-tex」等を利用し、デング熱やマラリアなどの防虫成分を閉じ込めた高機能性素材の開発の他、ヘルスケアや様々な産業分野への応用を行っています。2021年、リバネスが岐阜県にて主催した第1回岐阜テックプラングランプリにて最優秀賞を受賞し、2023年には、リバネス(ジャーミネーションファンド1号投資事業有限責任組合)、岐阜県内に本社を構える創業136年の中核企業である長谷虎紡績株式会社(本社:羽島市、代表取締役社長:長谷享治)、地域金融機関である大垣共立銀行グループ(頭取 境敏幸)の株式会社OKBキャピタル(本社:大垣市、代表取締役社長:岡田恒一)の共同で出資を得て、東南アジアでの事業展開に向けて連携を進めています。
2021年 第1回岐阜テックプラングランプリ最優秀賞のリリースはこちら:https://ld.lne.st/2021/11/26/gifu2021gp/
2023年 リバネス・長谷虎紡績・OKBキャピタルの3社共同での出資のリリースはこちら:https://lne.st/2023/08/14/gifu-fibercraze/
今回、2023年11月からリバネスが同社の東南アジア進出を支援し、マレーシア、インドネシアの2カ国を現地視察することによって、リバネスの現地トップ大学とのコネクションから、デング熱やマラリアなどを媒介する現地の蚊に対する防虫繊維の効果を調べる共同研究の相手先を探索し、連携について協議を行いました。また、2024年1月には、リバネスのマレーシアのインキュベーション施設 Center of Garage Malaysiaの開所に合わせて、FiberCrazeが施設に入居し、マレーシアのビジネス拠点を構築することを可能にしました。
複数探索した現地大学の中から、マレーシアトップ大学の感染症研究センターである、マラヤ大 TIDRECと協議を重ね、この度、共同研究に関するMoAの締結に至りました。
近年、東南アジアでは、気候変動や都市化によって悪化したデング熱やマラリアなどの感染症による課題が深刻化しています。気候変動により蚊が生息しやすい環境が拡大し、これらの病気の伝播範囲が広がっています。さらに、蚊が従来の殺虫剤に対して抵抗力を持つようになったことで、感染症の予防と駆除が一層困難になっています。今回のFiberCrazeとマラヤ大学TIDRECのパートナーシップは、この課題に対する持続可能で革新的な対策を模索するものです。今回のMoAにより、FiberCrazeの繊維技術と、マラヤ大学TIDRECの現地の蚊の研究に関するノウハウが融合し、抵抗力を持つ東南アジアの蚊に対しても人々が繊維を使って防虫できる可能性を検討できます。
キックオフミーティングの様子
研究報告会の様子
リバネスでは、この他にも、日本の地域発・大学発ベンチャーの東南アジア進出、それによる現地の課題解決を推進するプログラムを実施しております。東南アジア進出に関心のあるベンチャー、またその支援者の皆様で、ベンチャーの東南アジア進出支援にご関心のある皆様は、是非、リバネスにご相談ください。
本件に関するお問い合わせはこちら:
株式会社リバネス 担当 神藤
Email: [email protected] Tel: 03-5227-4198
=====================================
<FiberCraze株式会社について>
FiberCrazeは、「世界が誇る素材を創る」をミッションに、岐阜大学の基礎研究から生まれた技術をコアとし、ヘルスケアから産業分野まで、幅広い産業分野への用途展開を進めています。今回のMoA契約締結は、感染症防止に貢献する新たな素材の開発という社会的使命を果たすための重要な一歩であり、地域を中心とした技術力の集結により、生活や産業の発展に貢献するインフラの確立を目指します。
公式ウェブサイト:https://www.fibercraze.com/ja
<TIDRECについて>
TIDRECは、マラヤ大学に設立されたマレーシアを代表する感染症研究機関であり、熱帯地域で発生するデング熱、マラリア、ジカウイルスなどの感染症に関する研究を専門としています。TIDRECは、最先端の研究設備と国際的な研究ネットワークを駆使し、感染症の早期発見、診断、予防、および治療法の開発に取り組んでいます。この協力は、両機関の専門知識と技術を結集し、グローバルな健康課題に対する具体的な解決策を提供することを目的としています。
TIDREC – Tropical Infectious Diseases Research & Education Centre
公式ウェブサイト:https://tidrec.um.edu.my/
FiberCraze株式会社 代表取締役社長 長曽我部竣也からのコメント:
「世界で最も人間を多く殺す動物」が”蚊”であることに衝撃を受け、現地でデング熱・マラリアなどの感染症の深刻さを目の当たりにしました。防虫をはじめとする様々な機能性素材に使用される技術の一部は、マイクロプラスチック生成により海洋問題に繋がることが指摘されています。我々は「世界が誇る素材を創る」ミッション達成に向けて、弊社独自の技術で環境負荷の少ない高機能性素材を開発し、これらの課題解決を目指します。世界で有数の感染症研究機関であり、豊富な研究実績を持つTIDRECとの共同研究により、現地の課題を解決する効果的なソリューションの開発に注力してまいります。
TIDREC代表 PROF. DR. SAZALY BIN ABU BAKARからのコメント:
“This partnership with FiberCraze, Japan, represents another significant milestone in the development of technologies against the pervasive threat of vector-borne diseases. Leveraging FiberCraze's innovative technology to develop materials that can have impact on diseases like dengue and malaria aligns perfectly with TIDREC's mission to advance research and education in tropical infectious diseases. We are excited about the potential of this collaboration to bring about meaningful and sustainable solutions to one of the most pressing health challenges in Malaysia and beyond.”