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日本のディープテックベンチャーにとって、急速な経済成長を遂げているASEAN諸国は、事業展開の観点からも外すことのできないエリアとなっている。2024年12月10日に行われた「グローバルブリッジカンファレンス」第三部では、日アセアン経済産業協力委員会(AMEICC)からの委託事業として推進した「日本のスタートアップとASEAN企業による協業促進事業」を通して、株式会社リバネスが採択・支援してきた17社のうち、3社から活動・成果の事例紹介をいただくことで、実際の渡航によって得られた知見を共有し、これから海外展開を見据える日本のディープテックベンチャーが抑えるべき、ポイントを考察した。
【各社の事例から見えてきた、抑えておくべきポイント】
– 現地パートナーとの強固な関係構築の重要性
– 各国の市場特性に合わせた事業戦略の必要性
– 技術の応用可能性を広げる柔軟な発想
– 継続的な支援体制の確保



株式会社ICOMA
執行役員 / デザインファシリテーター
田渕 寛之 氏
「ICOMAは折りたたみ式電動バイクを開発・製造しています。スーツケースサイズに畳める電動バイクを主力製品として販売しており、ガチャガチャ版のおもちゃも10万個販売しました。私たちは今回の事業を通してタイに進出し、PCモーター社と戦略的パートナーシップを締結しました。タイでは高品質で低コストの部品調達が可能で、特にシート等の縫製品で大きなコストメリットを見出しています。今後は日本のポップカルチャーの強みも活かしたアプローチも検討して行きたいと思います。」
– タイ市場に着目し、PCモーターと戦略的パートナーシップを締結
– 現地の高品質・低コストの部品調達網を活用し、製品の競争力向上を実現
– 日本のポップカルチャーを活かしたマーケティング戦略を展開


株式会社LabBase
Head of LabBase Asia
宮崎 航一 氏
「LabBaseは2016年設立の、大学の研究と産業界をつなぐプラットフォームを運営する企業です。日本の大学院生の約2割が利用する研究者向け就職支援サービスを展開しています。今回の事業を通してマレーシアへの展開を開始し、マレーシア国立大学とパートナーシップを締結。現地向けの新サービス『LabBase co UTM』をリリースし、メディアからも大きな注目を集めることができました。」
– マレーシア国立大学とパートナーシップを締結
– 現地向けの新サービス「LabBase co UTM」をリリース
– AIを活用した研究者マッチングシステムの国際展開を推進


株式会社Thinker
営業・マーケティング部
藤本猛志 氏
「Thinkerは大阪大学発のスタートアップで、近接センサーと柔軟アクチュエーターを開発しています。シンガポール展開では3つの仮説を立てて活動し、特に新ソリューション開発の面で成果を上げることができました。Unistop Tech社とのMOU締結により、新たなソリューション開発を進めていきます。当初は製造業向けが中心でしたが、今後は他分野への展開も視野に入れています。」
– シンガポールを拠点としたアジア展開を目指す
– Unistop Tech社とMOUを締結し、新たなソリューション開発を開始
– 製造業以外の分野への技術応用も視野に入れた展開を計画

事業を通して、株式会社ThinkerとシンガポポールのスタートアップであるUnistop Tech Pte Ltd.が、MOUの締結に至ったことを受けて、本イベント内にて書面の交換式典を実施しました。
【株式会社Thinker 代表取締役CEO 藤本 弘道氏のコメント】