世界情勢が目まぐるしく変化するなか、これからのグローバル戦略はどうあるべきでしょうか。リバネスは、「知識製造業」という概念のもと、国や文化、分野の垣根を越えて知識を橋渡しすることこそが、その中核にあると考えています。Global Bridge Program(GBP)は、「ボーダレスな知識の橋渡しによりグローバル化を加速する(To Accelerate Globalization by Bridging Knowledge Beyond Borders)」という理念のもと、国や組織を越えた協働の仕組みを生み出していきます。
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リバネス自身のグローバル化の歩み
「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という理念を掲げるリバネスは、サイエンスブリッジコミュニケーターとして、2002年の創業当初から「ブリッジ=橋渡し」を強みに事業を拡大してきました。これは、単に「科学技術をわかりやすく伝える」ことにとどまらず、国や地域を越えて橋渡しのフィールドを広げてきたということです。
海外子会社の設立以前の2005年ごろから、アメリカでの実験教室、韓国のバイオベンチャーの日本誘致、海外大学での人材育成・研究機器マーケティングなど、越境的な取り組みを積み重ねてきました。
2010年以降はシンガポール(2010年)、アメリカ(2011年)、マレーシア(2013年)、イギリス(2016年)、フィリピン(2021年)に現地法人を設立し、教育・人材・研究・創業といった多様な領域で現地パートナーと共に知識プラットフォームの構築を進めています。基幹プロジェクトとして、超異分野学会は2017年に国際学会としてマレーシアで初開催し、順に開催国を広げて2023年には東南アジア6カ国へと展開しました。
転機となったのは、2018年にTECH PLANTERを東南アジア6カ国(シンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、インドネシア、ベトナム)に展開したことです。これにより、国内外各地域でのシードアクセラレーションプログラムを“点”で行っていた活動から、地域全体をつなぐ“面での接続”へと発展しました。また各国の技術シーズを発掘するだけでなく、国や地域固有の課題を深く理解し、それを解決するために日本の科学技術を橋渡しする取り組みへと進化したのです。
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知識を起点に経済が循環する社会──面で接続する重点地域を広げていく
リバネスは、「知識製造業」という概念のもと、知識と知識を結びつけ新たな知識を生み出す取り組みを推進してきました。金融資本や人口、天然資源への依存から脱却し、知識を軸に経済が循環する世界を実現するためには、国や文化、分野の垣根を越えたボーダレスな橋渡しが欠かせません。
Global Bridge Programでは、企業、大学・研究機関、自治体、学校など、国内外のあらゆる組織を対象に、グローバル戦略の立案、連携先探索、実証、事業化支援を行い、ボーダレスな知識の橋渡しを促進しています。
今後は、リバネスがこれまで築いてきたネットワークをもとに、東南アジア(シンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、インドネシア、ベトナム)、欧州(イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、スイス、ベルギー)、環太平洋(日本、台湾、韓国、香港、オーストラリア、アメリカ)の三つを重点地域として、面の接続をさらに広げていきます。これらの地域を双方向に結び、知識が行き交い、相互に価値を高め合う仕組みをつくることで、グローバルな知識の橋渡しをさらに加速していきます。
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インバウンドグローバライゼーションが日本を強くする
グローバル化というと、一般的には海外拠点設立や販路拡大といった外に出ていく動きを思い浮かべるかもしれません。しかし、よほどの先端技術や資本力がない限り、いきなり海外市場を獲得することは難しいのが現実です。そこで鍵となるのが、「インバウンドグローバライゼーション」という概念です。
海外のベンチャー企業や大学を誘致し、日本企業と連携して研究開発、実証、製造、人材育成、投資育成を進めます。リバネスはこの考え方のもと、大田区や茨城県で海外ベンチャーと日本のものづくり企業をつなぎ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、台湾、韓国などと連携して、世界を目指す企業の日本展開支援や大学の来日研修を実施してきました。
一度日本に「インバウンドする」、つまり「価値を付加する」ことで、海外との橋渡しが加速します。Global Bridge Programは、外に出る「アウトバウンド」と内に迎える「インバウンド」の両輪を動かし、知識の橋渡しを通じて日本が世界と共に成長していくことを目指していきます。